読了③ 脳を鍛えるには運動しかない

どうも

心理学勉強中のノブです

読了③話です

 

著者ジョンJ・レイティさん

NHK出版

 

少し長めの読了内容になりますのでお時間がない方は宜しければ

下の方の「まとめ」から読み進めてみてくださいね

 

今回は「三大神経伝達物質」のご紹介です

 

前回は脳の中で発生する神経細胞や伝達物質が登場しました

セロトニンドーパミンは名前は聞いたことがあるし、いい物とは分かっているけど実際どんな活躍をするかまでは知らない方も多いのかと思います。

実際、私も全く理解していませんでしたし、普段使う単語ではないと思いますので覚えても忘れてしまいますよね

本書では伝達物質がどう活躍してどんな働きをするのかが細かく書かれています。

私のブログのまとめでは省略しているところもいくつかありますが、皆様はなんとなくでかまいません「運動をすると良い物質が働いてくれるのね」くらいに受け止めて頂けるだけでも、運動に対しての価値が上がり意識するようになりキッカケになって頂けたらとても嬉しいです。

こうした少しの意識の積み重ねが「運動をする」ことにつながるのかと思います。

 

それでは本題に移りましょう

この読了③では物質がどう働いてくれてどんな効果があるのかをまとめてみたいと思います

三大神経伝達物質とは

セロトニン

ノルアドレナリン

ドーパミン

のことをいいます

 

セロトニン=「脳の警察官」とも言われ

必須アミノ酸の一種

トリプトファンから合成(セロトニンが作られている)

・脳の機能を正常に保つはたらきをし

気分、衝動性、怒り、攻撃性に影響

うつ病、不安障害、強迫神経症を抑える

セロトニンが低いと攻撃性が強くなる

・脳内セロトニン濃度が低いサルは過剰に攻撃的で反撃による死亡率が非常に高くなる

・朝日を浴びるとセロトニンが活性化

・睡眠と覚醒をコントロールする物質

・脳幹にある「縫線核」に伝わりトリプトファンか      らセロトニン合成がスタートする

・1日のリズムに司り午前は盛んに午後は低下しノンレム睡眠ではまったく分泌しない

・光を2500ルクスを5分以上浴びるとセロトニンが合成スタートする

曇日の日の、日の入り1時間後が約2000ルクス

晴れの日の、日の入り1時間前が約1000ルクス

・リズム運動で増える

ウォーキング、ジョギング、階段上り下り、首回し運動、ラジオ体操、水泳、ゴルフのスイング練習、深呼吸、音読、発声練習、カラオケなど

・最低5分以上、長時間続けなくていい

・朝の散歩15〜30分の少し早足で歩くこと

・日光を浴びる+リズム運動=セロトニン活性効果

・朝食の「噛む」ことで脳を覚醒

・ひとくちで20回以上噛んで食べること

・脳の縫線核からスタートし側頭葉、視床下部、大脳皮質、大脳基底核視床、小脳、脊髄と広い範囲で流れている

 

「樺沢紫苑。神・時間術よりP87」

雑念が入り集中できないのは前頭葉の疲れている証拠「切り替える」作業を行うのが前頭葉

この前頭葉セロトニンが「切り替え」と深く関係している

 

ノルアドレナリン=緊急応援物質

気分について理解するために研究された最初の神経伝達物質である

・集中力、学習能力を高める

・注意、知覚、意欲、覚醒に影響する信号をとばし増強

・不安、学習に関与

・恐怖や怒りを感じると交感神経のシナプスではノルアドレナリンを放出して体内を活性化

・心拍数や血圧などを上昇させ筋肉を中心とした標的器官に大量の血液を送り出す

・交感神経から放出されるノルアドレナリン松果体を刺激する

気分障害などうつ病の原因は不明だが、ノルアドレナリンセロトニンの低下などが関与しているとかんがえられている

・脳の青斑核からスタートし側頭葉、視床下部視床、大脳皮質、小脳、脊髄へ流れる

・闘争逃走反応に関与する

 

「脳の事典より」

全身が戦闘状態になったとき

ドーパミンセロトニンノルアドレナリンの分泌量が増加する

これらの物質はワーキングメモリー(作業記憶)なども調整する。

 

「樺沢紫苑。神・時間術よりP96」

期限が迫ると「火事場の馬鹿力」をだす

人は追い込まれると脳内でノルアドレナリンが分泌

ノルアドレナリンは集中力を高め学習能力を研ぎ澄ます

結果として脳は最高のパフォーマンスを発揮する

狩をしていた時代に目の前にサーベルタイガーが現れて、戦うか逃げるか!

ピンチにノルアドレナリンが分泌、命の危険信号に関与している

これを利用し仕事の締め切り後にプライベートの予定を入れるとノルアドレナリンを利用した時間術ができる

 

ドーパミン

学習、報酬(満足)運動に関する神経伝達物質

運動の調整、気分、意欲、ホルモン調整、快の感情

過激になる特徴がある

 

「脳の事典より」

注意欠陥、多動性障害(ADHD)を緩和

脳の

黒質から線条体へ流れる

腹側被蓋野から前頭葉へも流れる

 

いいイメージのドーパミンだが

ひとつの特徴に「過激になる」とある

ドーパミンはいいものばかりではなく

悪い方との結びつきにもなり

例えば、ひとの悪口を言ったとしましょう

1回言った1個の悪口はストレス発散になったように感じますが

2回目に言う悪口は1個では物足らず前回より多い2個の悪口を言う、するとスッキリする

3回目に言う悪口は2個では足らず前回より多い3個のの悪口を言う、するとスッキリする…

このループにより、どんどん悪口が増えてしまします

実際悪口を言ってスッキリした経験はないですか?

それがドーパミンの出ているときです

いい方にも悪い方にもドーパミンは出るので注意が必要です。

ちなみに悪口を言うと脳は判断基準がないため、自分の発言した悪口が、自分の脳に入り自分は悪いのだと思いストレスをためこむ習性があります。

悪口はストレス発散に感じるも、ドーパミンにより過激になり、脳は自分が悪いと感じてしまいストレスをため込みます。

いい方向のドーパミン

今回は良い仕事ができたなと感じたときなど

次はう少し効率よく仕事をしてみようと思い実行する

すると前回よりも良い仕事ができさらに効率の良い方法を考え行動する

1回目よりも2回目、2回目よりも3回目と効果が上がったり効率よく仕事が進められたりすることで喜びになり、ドーパミンが出る状態がいい方向のドーパミンです

運動なども、大会に優勝した、次は地区大会、その次は県大会、その次は全国大会、その次は世界大会など向上する方向へのドーパミンは前進する力となります

ドーパミンが不足すると

パーキンソン病が発症しやすくなるとされています

脳内の黒質ドーパミン作動性ニューロンが変性することで、手足の振戦、筋の固縮、動作緩慢、無表情な顔つき、前屈姿勢などの異常が現れる

線条体は運動機能に関わるためニューロンの変性によりドーパミンが減少すると、パーキンソン病特有の運動障害が現れる。

 

これが「三大神経伝達物質」の特徴です

もちろん他にも重要な物質があるのですが

特にこの「三大神経伝達物質」が今後、これでもかと言うほど出てきますので何となく覚えていても大丈夫です

運動をする事でこれらの物質がわりとはやい段階で分泌されるものもあれば、ゆっくりと分泌されるものもありますので

何を目的とした運動をするのかによっても、運動の方法は違ってきます

 

 

まとめ

 

セロトニン

・脳内にセロトニン濃度が低いと攻撃的になる

・気分、衝動性、怒り、攻撃性に関与

うつ病、不安障害、強迫神経症を抑える

・朝日を浴びる早歩きの散歩は分泌効果が高い

・睡眠と覚醒をコントロールする

・2500ルクスを5分以上浴びると分泌開始する

・リズム運動で分泌する。歩く、ガムを食べる、ご飯を食べるなども含まれる

前頭葉の「切り替え」にセロトニンが深く関与している、(ある作業から次の作業への切り替えなど)

 

ノルアドレナリン

・大脳皮質の広い範囲に投射

・恐怖や怒りを感じると交感神経のシナプスからノ  ルアドレナリンを放出して体内を活性化

心拍数や血液などを上昇させ筋肉を中心に器官に大量に血液を送り出す

・闘争逃走反応に大きくかかわる

・仕事などの締め切り近くでやる気が出だすのもこのノルアドレナリンによる闘争逃走反応を利用する事で効率よく仕事を進めることができる。

・集中力、学力、注意、知覚、意欲、覚醒に影響する信号をとばし増強

不安、学習などに関与

 

ドーパミン

・学習、報酬、注意などの運動に関わる

・運動の調節、気分、意欲、ホルモン調節する

・快の感情、過激になる特徴がある

・不足するとパーキンソン病が発症しやすいとされている

・マイナスな習慣のもプラスの習慣でも、過激になる特徴があり、スッキリするのはドーパミンの分泌によるもの。悪口でも分泌されてしまうので意識しておくことも大切

 

以上が簡単なまとめです

 

運動するとこれらの物質が最低でも5分から分泌され始めるので、意識して少しでも始めてみてくださいね

ただし、ここでは分泌される運動の時間は少なく書いてありますが、一部の物質のみですので、健康維持での運動は最低でも30分からが各物質の分泌が始まるとされていますので

中軽度の運動(汗を少しかく程度)早歩きなどを30分以上がいいとされています。

 

※ 週2回以上の中軽度の運動を1時間が健康的な運動かと思われます。汗をかく程度が目安です

 

前回の内容からも

220ー年齢=ご自身の最大心拍数

最大心拍数の60%から80%が中軽度の運動とされていますので参考になさってください

私であれば

220ー41歳=179

の60%〜80%ですから

107〜161の心拍数となります

実際は107の心拍数で歩くと、汗は出ないのですが

歩いてみると「なんだこの程度の速度か」と思うほどゆっくりだったりします

でもドーパミンのせいでしょうか、歩くスピードは日に日に上がってしまうので制御が難しくなりますが、皆様もぜひお試しください

心拍数測定はジムのウォーキングマシンなどでも簡単に測定できますのでどのくらいのスピードか測ってみるものいいかもしれません。

 

ではでは今日はこのへんで

次回はニューロンと脳由来神経栄養因子BDNFについてのお話となります。

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